フェイジョアの耐寒性について検索されている方は、南国フルーツでありながら比較的寒さに強いフェイジョアを、自分の庭やベランダで冬越しさせられるのか、また、しっかり実を収穫できるのか知りたいはずです。耐寒温度の具体的な目安や、寒い地域での鉢植えと露地栽培における寒さ対策は、初心者にとって重要な疑問点でしょう。さらに、せっかく育てたのに果実がスカスカになるのを避けるための受粉対策、そして「アポロ」をはじめとする品種ごとの特性や、植えて後悔しないために知っておくべきデメリットと常緑樹としての魅力についても、詳しく知りたいのではないでしょうか。
この記事では、専門機関のデータを基にフェイジョアの栽培における上記のような疑問をすべて解決し、読者の方が安心してフェイジョアの栽培を楽しめるよう、実践的な知識と信頼できる情報を提供します。
- フェイジョアが耐えられる限界の温度と、地域別の冬越し対策がわかる
- 自家結実性など栽培目的に合ったおすすめ品種(アポロなど)を選べるようになる
- 果実のスカスカを防ぐ確実な受粉方法と、最適な収穫時期を把握できる
- 植え付け後に後悔しないために知っておくべきデメリットと対処法が明確になる
フェイジョアの耐寒性 冬越し対策と適正温度

- フェイジョアの耐寒温度は何度まで大丈夫?
- フェイジョアの冬越し方法は?
- フェイジョアの寒さ対策は?(鉢植えと露地)
フェイジョアの耐寒温度は何度まで大丈夫?
フェイジョアは南米原産の果樹でありながら、比較的低温に強いという特性を持っています。樹木としての耐寒性は約-11℃~-9℃まで耐えられるとされています。
この数値は、国内で主に栽培が行われている関東以西の比較的温暖な地域であれば、特別な対策なしに露地で冬越しできる根拠となっています。しかし、注意が必要なのは果実です。フェイジョアの果実は、-2℃前後で内部が傷み始めることが確認されており、完全に凍結すると品質が大幅に悪化します。そのため、果実を収穫目的とする場合は、樹木本体の耐寒温度よりも、より早期の防寒対策が必要になります。
寒冷地、特に北海道や東北地方などでは、露地での越冬はほぼ不可能と判断されており、冬期は温室や鉢植えにして室内管理に切り替えるのが一般的です。
▶参考:フェイジョア|農林水産省
フェイジョアの冬越し方法は?
フェイジョアの冬越し方法は、栽培地域と樹木のサイズによって判断を分ける必要があります。
一般的には耐寒性が高いため、関東以西の温暖地では積極的な防寒作業は不要とされることが多いです。しかし、若木(樹高1m以下)や植え付けて間もない株は、まだ寒さへの抵抗力が弱いため、冬越しには特に注意が必要です。
寒風が直撃する場所や、雪が多く積もる地域では、若木や鉢植え株は冬場に屋内や簡易的なビニール温室に取り込むことが最善の策となります。室内温度は最低でも5℃以上を保てる場所が理想的です。
フェイジョアの寒さ対策は?(鉢植えと露地)
具体的な寒さ対策は、根を保温することと、寒風から株全体を守ることに主眼を置きます。
露地での対策
露地植えの場合は、日当たりと水はけの良い場所を選んで育てるのが基本です。冬季は、強風を受けやすい場所を避けることが重要です。
- マルチングによる根の保温: 地際に藁や腐葉土、枯葉などのマルチ材を厚く敷き詰めることで、根を保温し、霜による地温低下を防ぎます。
- 株全体の防寒: 特に若木は、不織布や寒冷紗で株全体を優しくくるみ、寒風や霜から保護する対策が有効です。雪による枝の折損防止にもなります。
鉢植えでの対策
鉢植えは露地植えよりも冷えやすく、根が凍結しやすい傾向があります。
- 屋内への取り込み: 室内や、暖房のない明るい車庫など、寒風を受けず、日中日光に当てられる場所に移して内内保管します。
- 鉢底からの冷気対策: 屋外で冬越しさせる場合でも、鉢を直接地面に置かず、断熱材(発泡スチロールなど)や段ボール、石、木板の上に載せて、鉢底からの冷気や地温低下を防ぐことが大切です。これにより、根の凍結・乾燥防止にも繋がります。
フェイジョア耐寒性品種と栽培のポイント

- フェイジョアの品種別特徴とおすすめ品種
- おすすめ品種アポロの魅力と自家結実性
- 鉢植えでのフェイジョア栽培と管理のコツ
- フェイジョアの収穫時期はいつ?おいしく食べるには
- 果実がスカスカになる原因と確実な受粉対策
- 常緑樹フェイジョアの生育特性と庭木としての魅力
- 植えて後悔しないために知っておくべきフェイジョアのデメリットは?
- フェイジョアの耐寒性を活かした栽培まとめ
フェイジョアの品種別特徴とおすすめ品種
フェイジョアの品種選びは、耐寒性はもちろんのこと、受粉のしやすさ(自家結実性)や果実の味・大きさによって、栽培の成否を大きく左右します。以下に代表的な品種の特徴をまとめます。
| 品種名 | 自家結実性 | 果実・樹形の特徴 | 備考(耐寒性の傾向) |
| アポロ | 高い(1本でも結実可) | 大玉(100g前後)、香り高く極良味、樹勢強健。 | 国内で最も普及。耐寒性も平均的~やや高め。 |
| クーリッジ | あり(1本で実がつく) | 中~大玉、甘味・香味良好。樹勢強く育てやすい。 | 古典的品種。耐寒性も高めで安定性が高い。 |
| ユニーク | 完全自家結実 | 小~中玉、早生。味は穏やかで平凡。 | 唯一の完全自家結実種。受粉樹としても優秀。 |
| マモス | なし(自家結実すると中空果に) | 極大果(150g以上)。樹勢強壮。 | 果実量は魅力的だが、交配相手が必須。耐寒性も平均的。 |
| プレコシャス | 部分的(やや低い) | 中玉、花付きが多い早生種。収量良好。 | 開花期が長く、受粉樹にも適する。 |
栽培初心者の方には、「アポロ」が特におすすめです。なぜなら、アポロは自家結実性が高く1本でも実がつきやすく、加えて耐寒性も比較的強健で、果実も大玉で風味が良いため、最初の成功体験を得やすいからです。
おすすめ品種アポロの魅力と自家結実性
品種アポロはニュージーランド生まれで、多くの国で栽培されている定番品種です。
アポロの最大の魅力は、自家結実性が高いという点です。フェイジョアは原則として異なる品種を2種以上混植しないと受粉しにくく、結実が不安定になることが一般的ですが、アポロは1本だけでも結実が期待できます。もちろん、他品種と併植することで、より安定した結実と収穫量が見込めます。
さらに、大玉で香り高く、味も非常に良いことから、観賞用ではなく果実収穫を目的とする家庭菜園にも広く推奨されています。耐寒性も平均的なフェイジョア品種の中でも強く、塩害にも耐える強健さを持っているため、関東以南での露地栽培に適しています。
鉢植えでのフェイジョア栽培と管理のコツ
鉢植え管理は、寒冷地での栽培や、マンションのベランダなど狭いスペースでフェイジョアを育てたい場合に非常に有効な手段です。
鉢植えの最大のメリットは、冬季に暖かい場所へ移動させられる点です。前述の通り、最低温度が5℃以上保てる室内やサンルームなどに取り込むことで、根の凍結リスクを確実に回避できます。
管理のコツとして、冬季は水やりを控えめにし、乾燥気味に保つことが根腐れ防止に繋がります。また、鉢植えのフェイジョアは冷えやすいため、根の保温対策として、地面に直接置かず、鉢を断熱性の高い素材(レンガや木板など)の上に載せたり、鉢を断熱材で囲ったりすると良いでしょう。日中はできる限り日光に当てることが、翌春の健全な生長に繋がります。
フェイジョアの収穫時期はいつ?おいしく食べるには
フェイジョアの収穫時期は、品種や地域によって異なりますが、国内では一般的に10月下旬から11月頃に果実が成熟します。温暖な地域ほど早く、沖縄や九州南部では10月中旬頃から落果が始まる例もあります。
フェイジョアの収穫で重要なのは、果実が自然に枝から落ちる(完熟落果)のを待つことです。落果した果実が食べ頃とされています。無理に枝からもいでしまうと、追熟させても風味が劣る場合があります。
収穫後は、室温で追熟させる必要があります。収穫直後は酸味が強いですが、数日から1週間程度置いて果実が適度に柔らかくなると、甘みが増し、独特の芳醇な香りが楽しめるようになります。
果実がスカスカになる原因と確実な受粉対策

フェイジョア栽培で最も多い悩みが、果実の内部が空洞化してしまう「スカスカ」現象です。
原因は主に受粉不足です。フェイジョアの多くは自家結実性が乏しく、同一品種の花粉では受精が成立しにくいため、果肉が十分に発達せず、空洞(スカスカ)になりやすいのです(例:品種マモスでは自家結実すると中空果になりやすいことが報告されています)。
確実な対策は、異なる品種を最低2種以上並べて混植し、互いに花粉を交配し合える環境を作ることです。自家結実性が強いとされる品種(アポロ、ユニークなど)でも、他品種を併植することで結実がさらに安定します。
また、開花時期(梅雨時期)に雨で花粉が流されてしまうと受粉不足に繋がるため、人工授粉(花穂に筆で花粉をつける)を行うことも、特に雨が多い年には有効な対策となります。
常緑樹フェイジョアの生育特性と庭木としての魅力
フェイジョアはフトモモ科の常緑低木であり、一年中緑の葉を茂らせる特性があります。
この常緑樹の特性により、庭木として生垣や目隠しに利用する価値が高いです。冬でも葉が落ちないため、一年を通して景観を保つことができます。
樹形はゆるやかな円形で、枝は地際からよく分枝し、通常は剪定によって1.5~3m程度に収まります。生育は比較的ゆっくりであるため、樹形の調整や管理がしやすく、初心者でも扱いやすい庭木とされています。ただし、大きくなると根が横に広がりやすくなるため、植え付け時には将来の成長を想定した配置計画が必要です。
植えて後悔しないために知っておくべきフェイジョアのデメリットは?
フェイジョアは魅力的な果樹ですが、植え付け後に「予想以上だった」と後悔しないために、いくつかのデメリットと注意点を知っておく必要があります。
- 生長後の樹高と管理: 生育力が強く、管理を怠り放任すると3~5m近くに達することがあります。庭木として植え付ける際は、植栽スペースを確保し、定期的な剪定で樹形を整える計画的な管理が必須です。
- 受粉・結実の難しさ: 前述の通り、単独植栽では果実が極端に少なかったりスカスカになったりするため、初心者には異なる品種の選定と受粉管理がハードルとなります。
- 結果までの時間: 植え付けから果実が収穫できるまで、3~5年かかる遅咲きの果樹であることを覚悟しておく必要があります。
- 果実の管理: 収穫直後は追熟が必要で、食べるタイミングを見極める必要があります。また、独特の香りや食味は好みが分かれることもあります。
これらの懸念点をクリアするには、「アポロ」など自家結実性の強い品種を選び、植え付け当初から剪定計画を立てておくことが重要です。
フェイジョアの耐寒性を活かした栽培まとめ

フェイジョアは、高い耐寒性を持つことで、温暖な地域での露地栽培、寒冷地での鉢植え栽培の可能性を広げてくれる魅力的な果樹です。
- フェイジョアは-9℃程度まで耐えられる比較的寒さに強い果樹
- 果実を凍結させないために-2℃以下の環境では防寒対策が必要
- 冬越し成功の鍵は若木や鉢植えの根元保温と寒風からの保護
- 露地植えは関東以西が目安で寒冷地では温室か室内での鉢植え管理が基本
- 最適な寒さ対策はマルチングや不織布による株全体の保護である
- 品種選びでは受粉のしやすさ(自家結実性)と果実の品質を重視する
- 初心者には自家結実性が高く味が良いアポロが特におすすめの品種である
- 果実のスカスカ化は受粉不足が原因のため複数品種の混植が確実な対策
- 常緑樹としての特性を活かし庭の目隠しや生垣としても利用価値が高い
- 収穫時期は10月下旬から11月頃で完熟落果を待ってから追熟させる
- デメリットは放任すると樹高が高くなることと受粉管理の煩雑さがある
- 植えて後悔しないためには品種選びと計画的な剪定・管理が必須である
- 耐寒温度の目安は-11℃までだが果実はそれより高い温度で傷む
- 生育は比較的ゆっくりで剪定が容易であり庭木として扱いやすい
- フェイジョアの耐寒性への正しい知識が栽培成功への第一歩となる


